中小企業診断士の日 記念イベント「そこが知りたい!診断士の現場から」を開催しました
2024年11月3日、大分県中小企業診断士協会は「中小企業診断士の日」を記念したイベント「そこが知りたい! 診断士の現場から」を開催しました。本イベントには40名が参加し、診断士の実務や地域支援の意義に触れる機会となりました。
イベント概要
- 日時:2024年11月3日(日)13:30~17:30
- 会場:ソレイユ「つばき」
- 参加者:40名
- 主催:大分県中小企業診断士協会
プログラムの内容
- 主催者あいさつ
時間: 13:30~13:40
挨拶者: 渡部智弘(大分県中小企業診断士協会 会長)
渡部会長は、「中小企業診断士の日」記念イベントに40名の参加者が集まったことに感謝の意を述べ、診断士の役割と地域支援の重要性について強調しました。特に「伴走支援」の考え方が地域社会の発展にとって不可欠であり、対話と傾聴による信頼構築が診断士活動の基礎であることを改めて共有しました。また、診断士が経営者の自走力を引き出す支援のあり方についても触れ、イベント全体を通して学びを深める機会とするよう期待を述べました。
- 【実録】プロボノ活動の紹介と事例共有
時間: 13:40~14:20
発表者: 栗山浩一 会員
栗山氏は、大分県中小企業診断士協会のプロボノ活動について、意義と具体的な事例を通じて説明しました。プロボノ活動とは、診断士が無償で地域社会や中小企業に貢献する活動であり、栗山氏はこれまで協会で行ってきた支援事例を紹介しました。特に2019年の食品製造業向け支援や2022年の設備製造業向けのDX支援が好例であり、活動を通じて診断士自身の成長やスキルアップにも繋がる点が強調されました。また、kintone を活用した業務効率化の取り組みが参加者にとっての興味深い事例となりました。最後に、参加者に向けてプロボノ活動の意義と参加の奨励が行われました。
- 【実演】経営者ヒアリング技術のポイントとデモンストレーション
時間: 14:20~15:40
実演者: 清成真一 会員
協力者: 吉松研一 会員(社長役)、高野勝 会員(経営指導員役)
清成氏は、診断士として経営者と向き合う際のヒアリング技術について実演を交えながら解説しました。ヒアリングの事前準備、当日の対応、そして経営者の本音を引き出すための傾聴と質問の技術が紹介されました。吉松氏が社長役を務め、高野氏が経営指導員役として参加し、具体的な経営課題に対するヒアリングの流れを再現。参加者は、清成氏が行う「共感しながら核心に迫る」姿勢と技術に触れ、実践的なヒアリング技術の重要性を学びました。経営者との信頼構築の大切さが改めて共有され、好評を博しました。
- 【実践】無料相談窓口:パネルディスカッション
時間: 15:50~16:30
モデレーター: 古城秀明 会員
パネリスト: 三室忠之 会員、位一平 会員、池田拓也 会員
パネルディスカッションでは、無料経営相談窓口における準備や当日対応のポイントについて議論が行われました。モデレーターの古城秀明氏が進行し、三室氏、位氏、池田氏がパネリストとして登壇。短時間での相談対応における事前準備、クライアントとの信頼関係の構築法、そして効率的な対応法などについて、各パネリストが実務経験に基づく具体的なノウハウを共有しました。診断士が限られた時間内でクライアントに対し最大限の効果を引き出すための工夫が紹介され、参加者からは実務に活かせるとの声が寄せられました。
- 参加者交流会
時間: 16:40~
会場: 3F 水仙
イベントの最後に、参加者間での交流会が行われました。参加者は、それぞれのセッションで得た知識や意見を共有し合い、診断士同士のネットワーキングを深めました。栗山氏や古城氏をはじめとした登壇者とも直接意見交換が行われ、イベントの内容を実務に活かす具体的なアイデアが生まれる有意義な場となりました。
アンケート結果(一部抜粋)
回答数: 27件
参加者属性
- 中小企業診断士・協会員: 15名 (55.6%)
- 中小企業診断士・非会員: 2名 (7.4%)
- 中小企業診断士・非会員(今後、入会希望): 1名 (3.7%)
- 将来、中小企業診断士を目指している: 7名 (25.9%)
- その他: 2名 (7.4%)
イベント全体の評価
- 大変役に立った: 19名 (70.4%)
- 役に立った: 8名 (29.6%)
理由(抜粋):
- 多様な視点が得られ、新しい試みとして良かった
- ヒアリングのポイントや具体的な方法が参考になった
- 中小企業診断士の現場での実務や対応例が学べた
イベント構成の評価
- とても適切であった: 19名 (70.4%)
- 適切であった: 8名 (29.6%)
理由(抜粋):
- 実務力向上に役立つ内容で、進行がスムーズでわかりやすかった
- 講演とパネルディスカッションのバランスが良く、形式が多様で面白かった
プログラムごとの評価
- プロボノ活動: 大変役に立った (59.3%)、役に立った (37%)
- 経営者ヒアリング: 大変役に立った (74.1%)、役に立った (25.9%)
- 無料相談窓口ディスカッション: 大変役に立った (70.4%)、役に立った (29.6%)
各プログラムの感想(抜粋):
- プロボノ活動: 栗山先生の具体例が参考になった。社会貢献と自己成長の両面で意義がある内容だった。
- 経営者ヒアリング: 実際の面談のイメージが膨らみ、清成先生のヒアリング技術が参考になった。
- 無料相談窓口ディスカッション: 各先生の異なる視点が聞けて興味深かった。具体的でわかりやすく、実務に役立つ内容が多かった。
今後のイベントで取り上げてほしいテーマ
- 診断士とAIとの関わり方
- DX支援の事例紹介
- 現場での質問ワークショップ
総評
今回の「中小企業診断士の日」記念イベントでは、参加者アンケートを通じて全体的に高い評価が得られました。特に、プロボノ活動、経営者ヒアリング、無料相談対応といった実務に即した内容が好評で、診断士としての成長や地域貢献の意義が改めて示されました。また、次回のイベントに向けた具体的な要望(AI、DX支援、現場ワークショップなど)も得られ、今後の企画に役立つ意見が多く寄せられました。大分県中小企業診断士協会は、引き続き地域経済の発展に寄与するイベント開催を目指します。